連載|ものづくりの視点 TOP

例えば、外灘(わいたん)と呼ばれるウォーターフロントの開発では伝統的な住宅「石庫門(せっこもん)」を建て直し魅力的な水辺空間を造り、レストランやギャラリーにして街の賑わいを演出している。外国のデザインを模倣したものや奇を衒ったものが少なくなり、街並みとの調和を考えたデザインが多くなり、街に落ち着きと歴史的な深みが出てきた。連綿と受け継がれてきた庶民文化を採り入れ、地域のアイデンティティを生かす工夫も見られた。それは寧波も同様であった。

 

近代日本の建築はヨーロッパやアメリカの建築デザインの模倣から始まったと言えるが、多くの先人の努力によって今では日本の伝統的な建築や日本人の思想、哲学に基づいたデザインと機能を創る時代になっている。中国には四千年の歴史を経た民族の知恵と多様な文化がある。それを街づくりにぜひ生かしてほしいと願う。そして、日本も先を進む隣人として手本となるように、環境技術をさらに発展させ、持続可能な街づくりの先端を着実に歩んでいかなければならないと思う。

Profile

元株式会社三菱地所設計 代表取締役副社長執行役員

岩井 光男

いわい みつお

Update : 2008.09.01

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