CHAPTER 01
「川上からプロジェクトを見守るCM」を求めて
大学では、意匠やデザインに携わりたいと思って建築を学んでいたのですが、意匠、構造、設備の「間を取り持つ」ような役割の方が、自分に向いているんじゃないか……と思うようになり、大学院では建築生産の研究室で、生産システムやプロジェクトを遂行する方式を研究しました。すでにコンストラクションマネジメント(以下、CM)に近いことに取り組んでいたように思います。
ただ、就職となると、新卒からCM職能の採用がある会社ってとても少なく、組織設計事務所の中では三菱地所設計を含めて3社程度なんです。そもそも、CMというジャンルは「長年にわたる設計や現場のバックグラウンドに支えられる職種」だと考えられています。そこで私も、まずは設計や工事監理などの分野を学ぶべきなのか、最初からCMに従事するべきかすごく迷いました。ただ、特定の分野の経験を経て、その分野に強みを発揮できる仕事のスタイルよりも、「川上からずっとプロジェクトを見守るような立場」になりたいと思い、初めからCM職能での就職を希望しました。中でも三菱地所設計を選んだのは、当社の方々の元気で明るい人柄が印象的だったこと。きっと本当は大変な仕事をしているのだと思うのですが(笑)、いきいきと働いている人が多かったのが理由です。実際に入社して改めてそう感じます。
