全技術者共通の教育・研修プログラムとともに、職能ごとのプログラムを設けています。入社10年目までの各年次で求められる経験や知識・スキルが専門職能別に定められており、OJTだけでなく、セミナー参加・現場見学・工場見学・社内勉強会などにより必要な知識・スキルを習得します。たとえば、意匠職能としては、入社後5年を目安に自らの職能について一通りの業務を理解することを目指し、1年目を「基礎的設計力取得の期間」、2~5年目を「経験の期間」と位置づけ、先輩社員である教育リーダーのもと、OJTや現場常駐研修(1年目を含む)などの各種プログラムを実施しています。6~10年目は「行動の期間」と位置づけ、実践力を発揮する成長の期間として教育研修制度が機能しています。
TRAINING & DEVELOPMENT教育・研修制度
三菱地所設計では、「人材育成の強化」を主要経営課題に掲げ、さまざまなプログラムを用意し、
社員の能力開発を強力にバックアップしています。
職能教育研修制度
教育研修プログラムの特徴

新入社員研修
入社後、まずは自社の業務についての理解を深めながら、基本的なビジネススキルや職能技術を習得し、実務に臨む準備を整えます。
フォローアップ研修
1年目を振り返り、今までの仕事を通して自身の業務の進め方や課題を見直し、成長を実感したうえで、2年目に向けた目標設定を行うための研修です。
コミュニケーション研修
相手の要望の核心を掴むヒアリング力を高め、「双方向のコミュニケーション」がとれるようになることを目的とした研修です。
プレゼンテーション研修
コミュニケーション研修受講後に、「相手に合わせたプレゼンテーション」のポイントを学び、“人を動かす”伝え方を身につけることで更なるスキルアップを目指します。
中堅社員研修
中堅社員の各階層に応じ、自己の役割を認識し、コミュニケーションスキルやビジネスコーチング、リーダーシップ発揮の方法などを習得・向上させるための研修です。
一級建築士ほか、
公的資格取得支援
一級建築士資格取得は特に早期取得を奨励しており、合格した際には最大70万円が支給されます。そのほか業務上必要な公的資格についても、受験料・登録料等の費用を会社で補助しています。

意匠設計
追川 健吾
私が一級建築士の資格を取得したのは、入社1年次です。有資格者の先輩が非常に多く、試験勉強に理解のある環境なので、働きながらも十分な勉強時間を確保することができました。ですが、奨学金や資格学校の支払いで経済的な余裕はありませんでした。しかし、制度を利用することにより、経済的な不安を払拭し、全力で試験に臨む体制を整えることができました。資格取得に関して、「努力の分だけ応えてくれる」制度は、非常に魅力的でありモチベーションとなります。先輩方は大変喜んでくださいました。手厚い制度と温かい気持ちに支えてもらえる環境が、合格できた一番の要因だったのではないかと思います。
海外設計事務所トレーニー派遣制度・
上海短期研修派遣制度
グローバルな知識・スキル・視野・ネットワークを備えた人材を積極的に育成することを目的に、社内公募により社員を選抜して本人の希望する海外の著名設計事務所などにトレーニーとして派遣する制度です。本制度により、ロンドン、ニューヨーク、シカゴ、上海などの設計事務所で社員が研鑽を積んでいます。
ほか、各種研修制度
語学研修(英語・中国語)
業務のグローバリゼーションに対応するために、社員の語学能力向上を積極的に支援しています。語学学校と提携し、英会話レッスン費用の約6割を会社で補助したり、社内で中国語会話の集合研修を実施しています。また、社外試験制度(TOEIC、中国語検定など)に対しても費用補助を行っています。
各種通信教育講座
会社指定の通信教育講座(業務遂行スキル・知識、建築・不動産関連各種公的資格取得、英語・中国語ほか)を受講した場合、受講料の30~50%を会社で補助し、社員の自己啓発を支援します。
スキル別選択型研修
会社指定の通学講座(プレゼンテーション、ネゴシエーション、リーダーシップ、企画力などの強化講座ほか)を受講した場合、受講料の70~80%を会社で補助し、社員の自己啓発を支援します。
海外設計事務所トレーニー派遣
LONDON

意匠設計
ロンドン/森田 悠詩
- なぜトレーニーに応募しましたか?
- トレーニーに応募したのは入社7年目のときです。入社後、数々のプロジェクトを通して知識や経験が身につき自信がついてきた一方で、徐々に自分の専門性が固まってしまうような気がしていました。今後のキャリアを考えると一度会社の外に身をおいて視野を広げ、社内では得られない経験を積んでおきたかったのが一番の動機です。
- トレーニー中はどのようなことをしていましたか?
- 平日はトレーニー先事務所で、プロジェクトの検討作業を通して業務の流れやイギリスでの建築レギュレーションについて勉強しました。また、事務所のイベントに参加したり、ロンドンで活躍する建築関係者との交流会にも顔を出したり、人脈を広げることができました。週末は学生時代に行けなかったヨーロッパの建築や街を訪ね、期間中に計24都市を周りました。
- このトレーニー派遣で何を得られましたか?
- 大きく分けて4つのことが得られたと思います。1つ目は「日本を外側から見ることができたこと(建築・ 文化・政治・働き方など)」、2つ目は「サバイバル能力の向上(新しいこと、わからないことだらけの中で、常に先を考え、動くことが求められる)」、3つ目は「建築経験値の向上(建築・街を自分の目で見る、足で歩く)」、そして4つ目が「出会い(日本では出会えないような人に出会うことができ、話ができる)」です。
- 今後の仕事に、どう生かせそうですか?
- 私の場合、トレーニー終了後に現地にある三菱地所グループの会社へ出向となりました。そのため、ロンドンの土地勘、英語の専門用語や言い回し、設計やプランニングをはじめとする行政協議の制度など、早速こちらでの業務に派遣先でのトレーニーの経験が生きています。 また、今までは当たり前であった日本での働き方を相対的に見ることができ、日本の建築事務所の良い点、改善すべき点について考えるよい機会となっています。
海外設計事務所トレーニー派遣
CHICAGO

機械設備
シカゴ/平須賀 信洋
- なぜトレーニーに応募しましたか?
- 海外で設計をすることなど、8年前の入社時にはまったく想像していませんでした。しかし、出張で調査に行った欧州で日本との技術の違いを目の当たりにし、周りを見渡せば大学同期は海外物件を次々こなし、最も近くにいた妻は海外に単身赴任!「そういう時代が来ているのだ」と感じ、海外を意識し始めました。そして、世界の最大手組織設計事務所がどんな武器を持って戦っているか、自分の技術がそこで通用するのか挑戦しようと思い立ち、トレーニーに応募しました。
- トレーニー中はどのようなことをしていましたか?
- 500mを超える超高層建築の設計や、建物内の健康に関する技術研究、世界各国のコンペ対応など幅広く携わっていました。中でも中国の超高層物件2件を計画初期から図面交付まで担当できたことは大きな経験となりました。アメリカに渡って日本に近い中国の物件をやるというのは不思議な感覚ではありましたが、インターナショナルに活躍する事務所の仕事の仕方を、肌で感じることができました。
- このトレーニー派遣で何を得られましたか?
- 世界中で働く上での語学力はもちろんですが、それ以上に自分の持つ技術力が重要であるということを深く心に刻みました。必要な技術があれば言葉の表現がつたなくとも耳を傾けてくれます。自分しか知らない話、知識をいくつ持っているかが勝負であるということです。また、技術者の向上心も見習いたいところです。MBAや博士号取得を目指す人もおり、技術のアップデートを怠らない姿勢が新たな価値を生み出し続けるのだと感じました。
- 今後の仕事に、どう生かせそうですか?
- 視野を広くして物事の判断ができるようになると感じています。 トレーニーで体験できたことは数多くありましたが、日本にはない優れた技術を学べること、逆に日本の優れた技術とは何かわかること、さまざまな国の文化を通じ違う角度で物事を見られることは、今までの業務からは得られない経験となりました。また、日本から強い意志を持って渡米しチャレンジしている多様な業種の方々と知り合い、一生の友達とたくさん出会えたことも私にとってかけがえのない財産です。
上海短期研修派遣
SHANGHAI

意匠設計
上海/岸田 律也
- なぜ上海短期研修派遣に応募しましたか?
- 日本で中国の仕事に関わる機会が多かったため、設計する上で中国の文化や風土が実際どういうものなのか身をもって経験する必要性を感じました。中国で一定期間過ごし、文化を体感しながら設計活動を行うことが中国の知見を深める一番の近道と感じ、応募しました。
- 派遣中はどのようなことをしていましたか?
- 上海事務所で設計中の案件にプロジェクトメンバーとして加わり、平面のプランニングから立面の検討など多岐にわたる設計活動を行いました。建物図面や3Dモデルの作成、定例会議資料の作成など、毎週開催される施主との会議に向けて準備し、自分も参加して中国の施主の方とコミュニケーションを取っていました。また週末は中国各地を巡り、仕事・プライベートともに充実した日々を過ごしました。
- この研修派遣で何を得られましたか?
- 「郷に入れば郷に従え」と言いますが、日本で育ってきた自分の常識の中で物事を判断してしまうと大きな過ちや隔たりが生じてしまうこともあるため、常に相手の文化や風土を考慮して判断することが大切だと改めて学びました。一方で日本人や日本の設計事務所ならではの配慮やデザイン、感性などは常に求められるので、日本の観点を忘れずに物事を考える重要性も痛感しました。
- 今後の仕事に、どう生かせそうですか?
- 中国での仕事は国内にはない新しいチャレンジの連続でしたが、それらに挑戦してプロジェクトを前進させることで大きな達成感と自信につながりました。また、中国に対する理解が深まると同時に、日本に対する客観的な視点も養うことができ、物事を見る・判断する上で視野が広がりました。