THEME 04
みんなを一枚岩にするコミュニケーション
羽田野:現場が始まってからも、事業者を含むプロジェクト関係者の皆さんから出てくるいろんなアイデアに真摯に向き合って、何とか実現しようとみんなで検討していたのが印象的だったな。
下田:スタジアム上空を滑走するジップラインとかですね。これは、基本設計段階に設計者から出てきたアイデアでした。運営面や工事費など、多角的にルートを検討しましたね。オフィス棟から商業棟へ、という飛行ルートは当社の提案によるものです。施設に関してはもちろんですが、新築着工前の現場を新型コロナウイルスワクチンの職域接種会場にしたこともありました。
羽田野:工務という立場上、機能性や安全性を意識しないといけないので、膨らんでいく「ワクワク」にブレーキをかけちゃうようなことも言ったと思うのですが、そういう時もまずは社内で検討し、下田さん、岡田さんから事業者に伝えてもらったこともあったね。
鈴尾:私は工事が進んでいる最中からの参画だったので、正直最初はアウェイ感というか……。実はCMとしてプロジェクトに関わった経験はほとんどなく、「通信関連の技術支援」と言ってもどういうスタンスでコミットすればいいのか少し悩みました。そんな中で、下田さん、岡田さんはまさにプロジェクトの中心に立って、発注者だけでなく施工者からも頼られていたので、慣れないうちは、2人を通してコミュニケ―ションを取ったり。本当に助かりました。
岡田:例えば、工事段階における通信関連工事と本体工事との調整など、相当厳しいお願いもしたので、やりづらい局面も多々あったと思いますが、嫌な顔をせずに引き受けていただいて、本当に心強かったです。
鈴尾:それはお互いさまで、こちらの立場も理解して、ちゃんとフォローもしてくれるので、相談しやすかったですね。2人のコミュニケーションのとり方を見ていて、すごく学ぶところが多かったですよ。
下田:いやいや(照)。CMは、基本的に発注者側に立ってプロジェクトにあたることが多いのですが、先ほど岡田さんも言ったように、今回は、発注者だけでなく、設計者・施工者(本体工事・関連工事)とも一体になれたというか……、みんなが「一枚岩にならないと成功しない」という意識でいたと思います。工区を4分割したことで数多くのゼネコンと協業することになったので、初期段階から設計者・施工者とも密にコミュニケーションを取りました。課題が生じれば、CMの業務範囲かどうかを考える前に、まずは解決方法を考えて動いていたので、関係者全体の信頼関係を早期に築けたというのが成功の鍵だったと思います。
岡田:確かに、私たちが一次相談窓口のようになっていたところがあり、「何かあったら、建築本体なら下田さん、別途工事なら岡田に連絡しよう」という感じで、一日中電話がかかってきていました。大変だったけど、やりがいも感じていました。それができたのも、部署の同僚や上司、社内各部に相談できる方がいてくれたからです。
下田:現場事務所にも私たちの席を用意していただいたので、より密なコミュニケーションが可能になりました。当社から各社にお願いして、事業者、各設計者・施工者、メーカー、立場を問わずみんな出入り自由、という環境をつくれたのが本当によかったです。
岡田:その日生じた課題を、その日のうちに何とかしなくちゃ! と毎日走り回っていましたね。本当に大変でしたが、それがなくなった今、「長崎ロス」になっています(笑)。
下田:別プロジェクトもいくつかは担当していましたが、入社4年目からの4年半、このプロジェクトにどっぷりだったので。ほぼ毎週2〜3日、佳境の時は5日間、ずっと長崎にいました。竣工後の今も、LINEのグループをつくって、ここで知り合ったいろんな方々と連絡を取り合っています。スタジアム・アリーナに関する情報を交換したり、プライベートで飲みにいったり。竣工というゴールに向かってチーム一丸でかかっていく、学生時代に部活で味わったような感覚。ここまで仕事にのめり込むとは思っていなかったな。
鈴尾:プロジェクトの途中で岡田さんが結婚式を挙げた時、大勢の職人さんたちが「岡田さん、結婚おめでとう!」と大合唱するムービーが流れたのには驚いたね(笑)。現場所長さんが集合をかけて撮ったらしいのですが、そんな話、聞いたことなかったから。
岡田:あれはすごく嬉しかったです。あと、竣工記念パーティで施設内外を映したムービーが流れた時も、随所に思い出があるというか、大変だったこと、嬉しかったことが一気に蘇ってきて、涙が出ました。