ジャパンリアルエステイト投資法人(執⾏役員 加藤譲、東京都千代田区)と株式会社三菱地所設計(代表取締役社長 谷澤淳一、東京都千代田区)は、「令和6年ヒートポンプ・蓄熱センター表彰(ヒートポンプ・蓄熱システム運転管理等の改善事例部門)」の「奨励賞」を受賞しましたので、お知らせいたします。
本表彰は、ヒートポンプ・蓄熱システムの運転管理、運用、及び設備の改良等により改善効果を上げた事例を評価、表彰するものです。
ジャパンリアルエステイト投資法人は、保有する「JRE東五反田一丁目ビル」(東京都品川区)において2021年3 月にZEB Readyを取得し、エネルギー消費量削減に向けた積極的な取り組みを推進しています。その取り組みの一環として、株式会社三菱地所設計を設計・監理者とし、ZEB化改修工事を実施しました。本改修に際し、高効率機器の導入のみならず、使用実態に基づく空調容量の最適化(サイズダウン)を実施した点、詳細な実態調査や事前検証による改修効果の「見える化」を⾏った点が高く評価され、今般、奨励賞の受賞に至りました。
本改修は、わが国が目指す2050年のカーボンニュートラル社会の実現に沿った「既存ビルの省エネ化」の取り組みです。今後もジャパンリアルエステイト投資法⼈と株式会社三菱地所設計はサステナビリティに配慮した改修工事を実施してまいります。
■ プロジェクト評価のポイント① 実態調査をもとに空調容量を最適化
消費エネルギーの削減効果が大きい空調容量の最適化は、ZEB化を目指す上で重要な取り組みです。JRE東五反田一丁目ビルでは、空調性能を把握したうえで、利用状況に関するヒアリング調査を入居テナント宛に実施しました。その結果を改修工事の設計段階で反映し、高効率機器の導入だけではなく、過剰であった空調処理能力を最適化(利用実態に影響を及ぼさない範囲でサイズダウン)したことが、新規性のある取り組みとして高く評価されました。
改修前の状態(左)から、全館の照明をLED化した場合(中)、さらに空調容量の最適化と高効率機器導入を図ったZEB化改修(右)。改修前後で一次エネルギー消費量・BEI値ともに約半減していることが分かります。
■ プロジェクト評価のポイント② 「見える化」により、納得感ある改修を実施
本改修前には、詳細な実態調査や熱負荷計算等を行い、空調容量最適化の可能性や効果を十分に見える化、検証しました。また、各設備改修の手法毎に環境性能BEI を算出、投資対効果を可視化することで、当初の修繕計画で見込んだ投資額よりも低廉にZEB化を実現しました。
さらに、本改修によるサイズダウンを経ても空調容量が十分満足なものであることや、高効率な運転が行われていることについて、夏期・中間期・冬期に事後検証も実施しています。
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一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターが主催する「ヒートポンプ・蓄熱センター表彰(ヒートポンプ・蓄熱システム運転管理等の改善事例部門)」は、再生可能エネルギーから熱エネルギーを生み出す技術であるヒートポンプと、電力利用量の削減、ピークシフト等に寄与する蓄熱システムを用いた空調の普及を進めるものとして、運転管理・運用・設備の改良等による改善効果のあった事例を評価・表彰するものです。尚、ジャパンリアルエステイト投資法⼈と株式会社三菱地所設計は、事例名「既存オフィスビルにおける設備容量適正化によるZEB化改修事例」により奨励賞を受賞しました。(詳細は一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターのホームページをご確認ください)
https://www.hptcj.or.jp/library/tabid/267/Default.aspx - ZEB(Net Zero Energy Building)はエネルギー収支ゼロを目指した建築物であり、BELS の評価制度において ZEB、Nearly ZEB、ZEB Ready、ZEB Oriented の 4 段階で表示されています。そのうちZEB Readyとは、省エネによって年間の一次エネルギー消費量を50%以下まで削減する建物に与えられる認証です。
- BEI(Building Energy Index)は、エネルギー消費性能計算プログラムに基づく、基準比における建物の一次エネルギー消費量の比率を示した指標です。
■ 建築概要
Data
建物名称 | JRE東五反田一丁目ビル |
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所在地 | 東京都品川区東五反田一丁目24番2号 |
用途 | 事務所、店舗 |
階数 | 地上8階 |
竣工 | 2004年7月 |
構造形式 | 鉄骨造 |
延床面積 | 6,460.39㎡ |
■ ZEB化工事概要(一部抜粋) | : |
取得認証 | BELS: ZEB Ready、ファイブスター(5つ星) (設計一次エネルギー消費量53%削減) |
空調設備 |
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換気設備 | 基準階 専有部は全熱交換器を設置 |
事業主 | ジャパンリアルエステイト投資法人 |
設計・監理 | 株式会社三菱地所設計 |
■ プロフィール
ジャパンリアルエステイト投資法人は、2001年9月にJ-REIT(不動産投資信託)として我が国で初めて東京証券取引所に上場を果たしました。都心のオフィスビルをメインとするポートフォリオを構成し、1口当たり分配金を中長期的に維持・向上させることを目標としています。資産運用はジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社に委託し、同社の株主である三菱地所が持つ情報ネットワークや経験・ノウハウを活かした資産運用を行っております。
三菱地所設計は、1890年の創業以来、東京都千代田区丸の内に拠点を構え、都市計画から建築設計・監理、企画・コンサルティング、リノベーション、コンストラクションマネジメントなど、拡張する活動領域に130年を超える技術の蓄積やネットワークで向き合う、日本で最も歴史ある組織設計事務所です。今日、国内のみならず、中国・上海とシンガポールに海外拠点を設け、東アジア・東南アジア全般に展開し、日々多様な業務に取り組んでいます。
以上
本件に関するお問合せ先
ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント株式会社
TEL 03-3211-7951
株式会社三菱地所設計 経営企画部広報室
TEL 03-3287-5001