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2023.09.06

高汎用性技術で「エネルギー消費量『0以下』オフィス」を実現

「ショーボンド建設 北日本支社新社屋」が『ZEB』取得

株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一)は、当社が設計した「ショーボンド建設株式会社 北日本支社新社屋」(宮城県仙台市/以下、本施設)がBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)における『ZEB』を取得したことをお知らせします。
汎用性の高い技術による『ZEB』取得モデルケースとして今後の市街地のオフィスビル設計の環境性能向上に寄与します。当社の設計プロジェクトにおける『ZEB』取得は2件目です。

  1. 年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物。
  2. 1件目は「三菱電機ZEB関連技術実証棟『SUSTIE』」(竣工:2020年10月)。

社員・企業・地域をつなぐ、環境に配慮した新オフィス計画

仙台市地下鉄東西線卸町駅に近い本敷地周辺は、東北地方有数の物流拠点として知られてきました。近年、同地下鉄線の開通(2015年)に伴い集合住宅や文化施設等が増えつつあり、生活・仕事・遊びの場として多くの人びとが集まるようになっています。こうした地域に新社屋を設けるにあたり、働き方の変化に伴う社員間のコミュニケーションの向上に加え、地域の人びとが集まり活用できる空間の整備、循環型社会に対応する建築の創出を目指し、設計を行いました。

建築計画: 快適性を犠牲にせず『ZEB』を成立させる

一般に、開口部(窓)は日射や熱の流出入が生じるため、建築外皮の断熱性能を優先すると開口率が縮小します。一方、本施設では熱負荷の最も大きい東西面に設備機器やコアを配して日射遮蔽・断熱を図る反面、直達日射がなく安定した採光が可能な北面に大窓を設け、南面は2~4mの庇で良好な日射遮蔽・取得を可能とした上で、無理なくフルハイトの開口を設ける計画としました。また、建物中央(2~3階)に吹き抜けと屋内階段を設け、回遊性ある平面計画とすることで、オフィスワーカーどうしのコミュニケーションを誘発しつつ、解放感を得られる空間の構成としています。

設備計画: 実態に即した「必要十分」な性能でエネルギーロスを低減

各方位の特性を活かした建築計画に加え、計画段階で「ワーカーの実態ヒアリング」を実施し、この調査結果に即した空調容量の適正化や照明設備の計画を行いました。空調設備は、一般的にオフィスで利用されるビル用マルチエアコンではなく、より高効率型の空冷ヒートポンプパッケージ空調を採用。電気設備は全館LED照明、各種センサ等の省エネ機器を導入しています。
また、空調室外機や屋外キュービクルを各階設備バルコニーに設置し、屋上に大容量の太陽光パネル配置を可能としました。

建築・設備の両側面からの取り組み(開口・外装計画、照明・空調の省エネ化)でエネルギー消費量を60%削減した上で、屋上の太陽光発電設備(108kW/右写真)による創エネで差し引き0以下を達成。太陽光発電設備は一般的な同規模の事務所ビルより大容量の機器となっており、停電時には事務所内の一部電源への供給を可能としてBCPに寄与します。

プロジェクト概要

Data

名称

ショーボンド建設北日本支社新社屋

所在地

宮城県仙台市若林区卸町二丁目9番地11号

建築主

ショーボンド建設株式会社

主用途

事務所

敷地面積

1,651.89㎡

構造

鉄骨造

建築面積

1,158.15㎡

延床面積

2,973.72㎡

階数・建物高

地上3階、建物高さ16.12m

取得認証

BELS:5つ星、設計1次エネルギー消費量102%削減『ZEB』

竣工

2023 年6月

■ 関連プロジェクトのご案内:三菱地所設計の『ZEB』プロジェクト

三菱電機ZEB関連技術実証棟「SUSTIE」(神奈川県鎌倉市)
https://www.mjd.co.jp/insights/56080/

以上

本件に関するお問合せ先

株式会社三菱地所設計 広報室
TEL 03-3287-5001

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