NEWS RELEASE
2024.10.23
三菱地所設計とリモート・センシング技術センター、
衛星リモートセンシング技術を活用したまちづくりに関する研究で協力
「容積充足率マップ」を試験公開
株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代⽥区、代表取締役社⻑:谷澤 淳一、以下 三菱地所設計)と一般財団法人リモート・センシング技術センター(所在地:東京都港区、理事長:池田 要、以下 RESTEC)は、2020年度より、衛星リモートセンシング技術を活用したまちづくりに関する研究を行ってまいりました。
このたび、この研究成果の第1弾として、衛星リモートセンシング技術を用いた「容積充足率マップ」を試験公開したことをお知らせいたします。
© Maxar Technologies Inc. © 2024 Maxar Technologies, NTT DATA Japan Corporation
人工衛星に搭載したセンサで、遠隔(リモート)から地球を観測(センシング)する「衛星リモートセンシング」は、地表面に関する多様なデータを高精度に取得できることから、その利活用に注目が集まっています。三菱地所設計とRESTECは、この最先端の空間情報技術を用いた「データ駆動型の新たなまちづくりのあり方」として、公共空間の利活用を含む将来のまちづくりの可能性を探り、これを実現すべく研究を行ってまいりました。
このたびご紹介する「容積充足率マップ」は、土地活用やまちづくりの基礎資料として用いることができる広範囲にわたる既存建物情報の可視化サービスです。本システムのさらなる発展と普及により、土地活用やまちづくりにおける新たな可能性を広げることを目指しています。
2社の取り組みと、衛星リモートセンシング技術の活用について
衛星リモートセンシング技術とは、地球上の海、森、都市、雲などが放射・反射する電磁波を人工衛星に搭載したセンサで観測し、地表面のさまざまな空間情報を取得するものです。都市環境においては、土地被覆や地表面温度、標高をはじめとする多種のデータが取得・解析でき、活用の可能性が大きく広がっています。「まちづくりDX事業」に取り組む三菱地所設計と、リモートセンシングの先端技術をもつRESTECが協力することで、都市を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しつつ、開発用地の調査からエリアマネジメントまでの一貫したコンサルティングを提供することを目指します。
「容積充足率マップ」の開発について
本研究の成果の第 1 弾となる「容積充足率マップ」を試験公開いたしました。AW3D データ※1 を用いて既存建物の容積率を推定することで、容積充足率(現況建物の容積率/指定容積率)を広範囲に推定、可視化することが可能になりました。
今後も人工衛星データを活用することにより、容積率に関する情報に限らず建物・都市に関する多様な情報を収集・可視化し、まちづくりに活かすことができるデータプラットフォームの開発を目指します。事業者による開発事業用地の検索・調査、行政による都市計画検討の基礎資料、コンサルタントや設計事務所による設計・マスタープラン検討の基礎資料としても活用できるシステムの開発に取り組んでまいります。
容積充足率マップへのアクセス
本システムは Web ブラウザ上でどなたでも使用することができます。下記 URL よりアクセスください。 https://www.mjd.co.jp/remote-sensing/
(推奨環境:Google Chrome、Safari、Firefox、Microsoft Edge、Opera の最新安定版)
容積充足率マップ © Mitsubishi Jisho Design Inc., RESTEC
AW3D Building © 2024 Maxar Technologies, NTT DATA Japan Corporation
東京都都市整備局 都市計画決定情報GISデータをもとに作成
© OpenStreetMap contributors
1 AW3Dデータ: RESTECと株式会社NTTデータが共同で開発・販売している3D地図データ。衛星画像を活用し、都市部では最高0.5m解像度の3Dデータを提供しています。
企業プロフィール
■ 株式会社三菱地所設計
三菱地所設計は、1890年の創業以来、東京都千代田区丸の内に拠点を構え、都市計画から建築設計・監理、企画・コンサルティング、リノベーション、コンストラクションマネジメントなど、拡張する活動領域に130年を超える技術の蓄積やネットワークで向き合う、日本で最も歴史ある組織設計事務所です。今日、国内のみならず、中国・上海とシンガポールに海外拠点を設け、東アジア・東南アジア全般に展開し、日々多様な業務に取り組んでいます。近年では下記のようなデータの可視化・活用に関する「まちづくりDX事業」関連の業務についても積極的に取り組んでおり、データ駆動型まちづくりをはじめ、「TOKYO OASIS」などの可視化シミュレーションの可能性を探る取り組みを続けています。
公式Webサイト: https://www.mjd.co.jp
地図情報システムに樹木等の必要データを落とし込み、造園業者が維持管理作業を入力できるシステムを開発しました。維持管理履歴のクラウドデータ化、ペーパーレス化を実現し、属人的な管理を解消し、客観的かつ効率的な維持管理・データ管理が可能となっています。
2020年7月、環境情報などのデータを可視化・シミュレーションし、快適に過ごせる空間の情報を発信するwebサービス『TOKYO OASIS』をエコッツェリア協会(一般社団法人 大丸有環境共生型まちづくり推進協会)とともに開発・リリースしました。 https://tokyooasis.com
■ 一般財団法人リモート・センシング技術センター
リモート・センシング技術センターは、1975年の設立以来、日本のリモートセンシング事業を牽引する中核機関として衛星データの受信・処理、解析に至るまでの一貫したリモートセンシング技術の総合的研究開発と、それを利用した社会課題解決に取り組んできました。宇宙利用技術の進展が目覚ましい現在では、防災・農業利用・エンターテインメントなど様々な分野で利用者が必要とする地球観測情報等を抽出し、ソリューションとしてご提供しています。
公式Webサイト: https://www.restec.or.jp
AW3Dサービス
株式会社NTTデータとの共同開発・販売サービス。2014年のサービス開始以来、地図整備、防災、資源開発、都市開発、インフラ整備から携帯電話の5G整備や自動運転といった先端領域まで、多岐にわたる分野において利用されています。これまでの採用実績は、世界130か国、3500プロジェクト(2024年10月時点)です。 https://www.restec.or.jp/solution/aw3d.html
人工衛星データを中心にその他リモートセンシングデータを組みあわせた複合的な森林モニタリング・コンサルティングサービスを提供しています。アマゾンの森林伐採エリアの抽出から森林健康診断(NDVI解析・樹種判読など)、民間財団への植樹支援、そして森林資源量の推定まで多岐にわたります。
https://www.restec.or.jp/service/forest/index.html
以上
本件に関するお問い合せ先
株式会社三菱地所設計 経営企画部広報室
corporate.communications.office@mj-sekkei.com
一般財団法人リモート・センシング技術センター 総務部広報課
restec_prs@restec.jp