株式会社三菱地所設計(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:谷澤 淳一)は「社内賞2024」の受賞作品を決定しました。本賞は、企画力・デザイン力・技術力の一層の向上と、当社ブランドに寄与する優れたプロジェクトの表彰制度として、2001年の会社設立以来24回目の実施となります。
「社内賞2024」では、社内審査員に加え、外部審査員に塚本 由晴 氏(アトリエ・ワン、東京科学大学教授)、 倉渕 隆 氏(東京理科大学教授、同副学長)を迎え、作品賞8件(うち最優秀作品賞1件、優秀作品賞・社長賞1件、優秀作品賞2件、特別賞1件)、環境・技術賞3件(うち最優秀環境・技術賞1件、特別賞1件)をはじめ、当社ならではの幅広い業務を8部門にて表彰しました。



【各賞の主旨】
作品賞:
クライアントのニーズを満たすに留まらず、今日の社会的な課題を的確に捉え、「Concept」「Technology」「Design」に反映させた優れたプロジェクトを表彰するもの。当社における「Design」=「環境、技術、工務、意匠など建築に関するさまざまな事柄を統合・昇華し、作品をつくり上げること」を体現するもの。
環境・技術賞:
地球環境への寄与に積極的に取り組んだ、建築・設備(またはそれらの融合)・公園や緑地などの都市環境・まちなみ、災害時の事業継続計画(BCP)への先進的取り組み、保存技術・リニューアル技術・技術書・当社主体の発想で取りまとめたエンジニアリングに関する要素技術・システム・論文等を表彰するもの。
コンサルティング賞:
昨今の社会状況の中でその重要性が一層増しつつあるコンサルティング業務において、プロジェクトを達成へと導く業務改善に寄与した、または社会的に認められた優れた技術・提案を表彰するもの。
コンペ・プロポーザル賞:
コンペ・プロポーザルにて選定されたもののうち、社会的な意義を問う優れた提案など、当社のプレゼンスや業績に寄与するものを表彰するもの。
プロジェクトマネジメント賞:
成果物としての作品だけでなく、つくられていくプロセスに重点を置き、デザイン・技術・品質に対して前向きに取り組んだ優れたマネジメント事例を表彰するもの。
業績賞:
コンペ・プロポーザルで選定された作品のほか、コンサル業務としての成果や業務改善に寄与した技術のうち、優れた業績を表彰するもの。
+EMOTION 賞:
当社のブランド価値である「総合設計力」「都市への洞察力」「本質と品質の追求」に加え、新しい価値を生み出す取り組みが特に顕著であったものを表彰するもの。
社員選賞:
一次審査を通過した作品賞、環境・技術賞について社員投票により決定・表彰するもの。
受賞プロジェクトのご紹介(コンペ・プロポーザル賞を除く)
[最優秀作品賞・社員選賞]
ニコン 本社/イノベーションセンター
本社機能やR&D部門を集約し、ミュージアムも併設。社員に限らず、地域住民、関係企業、同社製品のファンが「発見・交流・体験できる」場の創出を目指したプロジェクト。約150m×16mの3つの執務空間で、昇降機能等のコアとリフレッシュスペースをはじめとする多様な空間を集約した2つのコミュニケーションフレームを挟む構成とし、フロアを超えた交流の創出を図りました。また、建物外周に巡らされた水平庇の内部をダクトルートとすることで、執務空間のダクトレス化を実現。ゾーンごとの空調制御や、PC床版の円滑な表面をリフレクタとして用いる昼光導入・照明計画で快適な環境を創出しました。建築やランドスケープのみならず、ミュージアムやショールーム、環境映像の演出やダイニング運営に至るまでのトピックに設計者として幅広く携わり、「イノベーションあふれる場」の精緻な実現に取り組んでいます。
クライアントとの信頼関係を構築し「よい建築ができるプロセス」を丁寧に積み上げ、意匠・構造・設備のインテグレートを高いレベルで達成している点が評価されました。

[優秀作品賞・社長賞]
フロントプレイス千代田一番町
コロナ禍を経て問われる「出社の意義」、働き方・価値観の多様化といったテーマに、中規模賃貸オフィスビルで応えたプロジェクト。積み石から着想を得た外観は、腰掛けからカウンターデスクにまで高さを変える出窓で構成。一般的には画一的な空間が要求される賃貸オフィスビルですが、フロアごとに異なる窓回りはテナントごとの個性ある使い方を可能とし、さらにそれを外観へ表出させることでオフィスへの愛着を高めます。また、街路に面してカフェやベンチのあるオープンスペースを設けて地域に開放した1階は、各テナント・働き手とまちにつながりを生み出します。設備面では、気流感や温度ムラを抑える空気式輻射空調の導入やDALI制御・人感センサによる照明運用などにより、快適さと省エネルギー性を高水準で両立※。これからの中規模賃貸オフィスビルのあり方を示すモデルケースです。
設計の中心に人のアクティビティを据え、都市に開かれたデザインを追求した点が、従来の賃貸オフィスビルの枠を超えた新たな視点を示すプロジェクトであると評価されました。
※ WELL V2基準におけるWELL Core予備認証 プラチナを賃貸オフィスビルとして初取得。

[優秀作品賞]
北海道新聞社ビル
札幌市がまちづくりを重点的に推進する創成東地区に位置し、「札幌の目抜き通り」として知られる大通(おおどおり)沿いに建つ北海道新聞社の本社ビル。ワーカーのコミュニケーションを促す空間と動線を「3C(Colorful/Connect/Communication) Zone 」と名付け、大通に面するように配置。ここに、階段やエレベータなどの垂直動線に加えて、執務やリフレッシュに資する多目的ワークプレイスやテラス、キッチンといったワーカーの往来頻度の高い機能を集約しました。この空間は、背後に広がるメインの執務室への緩衝帯として、執務室内の環境負荷低減にも寄与します。情報を生産・発信するために刻々と変化する多様なアクティビティが新聞紙面のように外部へ表出するファサードや、チムニーや縦動線を擁する地産レンガの廃材粉吹き付けの塔を設け、地域に愛されるマスメディアの拠点をつくり上げました。
新聞社ならではの活動が集約された「3C Zone」が、アクティビティの都市への表出と、外部環境とのバッファゾーン形成という2つの機能を果たし、寒冷地における新たなビルファサードの提案となっている点が評価されました。

[優秀作品賞]
THE ROYAL PARK HOTEL 銀座6丁目(ヒューリック銀座六丁目昭和通ビル)
銀座の幹線道路沿いにおける15階建て、全273室のホテル新築プロジェクト。販売の容易性やサービス・オペレーションの均一化・効率化といった観点から、客室設計における高い均質性が求められるとともに、それが表出した均一的外観が特徴になっていた宿泊特化型ホテル。新型コロナ禍に始動した本プロジェクトは、従来の常識に対する「問い直し」として、オペレーション効率だけでなく宿泊者視点からのアプローチを試み、新時代の新たな価値提案に取り組みました。道路騒音の距離減衰に対して開口面積を最大限確保すべく、上階ほど窓の開口面積を広げることで、各客室空間に変化を生むとともに、これを外観にも表出。宿泊体験の多様化や、地域のコンテクストとの呼応を図っています。当該ビルディングタイプのあり方に一石を投じるプロジェクトです。
建物の外・内観としてだけでなく、人のふるまいや内部環境の快適性に寄与するエレメントとして「窓」に注目、その設計やあり方の追求により、新しいまちなみを創出した点が評価されました。

[特別賞]
大阪堂島浜タワー
長らく地域のシンボルだったオフィスビル「大阪三菱ビルディング」(1969年竣工)。その建て替えに際し、ビジネスと交通の中心である御堂筋と、文化と行政の中心である堂島川が交差する象徴的な立地を活かし、ビジネス×観光×ローカル、行政×民間の交流促進をテーマに大規模複合施設を設計しました。低層部に高機能オフィス、高層部に国際級スペックのホテル、中間階には市の広報や企業催事に応える、半屋外・屋内空間を一体的に利用できる観光施設・展望テラスを配置。地域へと広がる各機能を組み合わせ、ビル全体を「大阪の魅力を最前列で体感できる劇場のような場所」とすることを企図しました。隣接する堂島公園と観光船着場の一体的整備も行い、「水都・大阪」の象徴性を高めるとともに、水上インフラによるエリアの防災力強化にも貢献しました。
当社ならではの総合力を生かして難しい特区を読み解き、複数の用途を複合するにあたり、その特性を活かしたエネルギー計画や豊かな空間性の創出が高い水準で達成された点が評価されました。

[作品賞]
抖音集団成都(バイトダンス成都)
IT企業が集積する中国・成都の天府新区。その都市軸である天府大道沿いのラストピースとなるオフィスパークを計画しました。閉鎖的になりがちなオフィスを地域に開き、周辺環境との調和のもと、地域の未来をけん引する、にぎわいの中心となることを目指しました。低層の既存棟に並列させて計画したふたつの新築棟は、段状に高さを変化させ、都市軸に沿うスカイラインを形成。3階に設けたスカイロビーは、新旧各棟をブリッジで結び、ホールやビジターセンターへと直接アクセスできる交流の基点となります。基準階では、フロア両端に配したコアの間にミーティングやコミュニケーションの空間を設け、交流・集中双方にメリハリを持たせ、憩い・議論・運動など多様な活動を許容する空間を創出。新しい世代の活躍の場となることが期待されています。
欧米の競合企業を抑えてコンペを勝ち抜くとともに、サンクンガーデンや交流スペースをはじめとするリフレッシュ空間を効果的に活用した快適なオフィス環境を実現した点が評価されました。

[作品賞]
渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)
渋谷駅前と、文化・教育拠点が集まる青山エリアとを結ぶ青山通り沿いの計画地で、歩行者ネットワークの創出により駅・まち・地域をつなぐことを目指した再開発プロジェクト。敷地は、オフィスワーカーに加えて学生やクリエイターなど多様な人びとが行き交うポテンシャルを持ちつつも、幹線道路に囲まれ周辺との回遊性が失われていました。そこで、渋谷駅前再開発の基本的な考え方である「アーバンコア(地域の谷地形を解消する垂直動線)」を発展させ、建物中央部に階段、エスカレータ、エレベータや、腰かけられる滞在スポットを随所に設けたアトリウムを設置。エントランスと、周辺のデッキ・歩道橋と接続するブリッジを設けて人流を引き込み、高低差を解消しながら6方面へ展開する動線を構築し、地域をシームレスにつなげるネットワークを生み出しました。
当社の総合力を活かして複雑な条件を持つ特区を読み解き、地域を行き交う人びとを引き込む仕掛けが周辺環境との調和のもとで達成されている点が評価されました。

[作品賞]
プレミスト南平台
古くから政財界要人の邸宅街として知られた閑静で緑豊かなエリアにおける、全22戸からなる集合住宅の新築プロジェクト。新型コロナ禍を経て自宅で過ごす時間が長くなるとともに、働き方、暮らし方が急速に変貌する中、こうした社会共通の課題に富裕層向け住宅はどう応え、どう変わるべきか追求することをテーマに掲げました。従来、プライバシー性の重視により地域と切り離され、地域の「共有資産」と見なされづらかった富裕層向け住宅というタイポロジに対し、ここでは公私の境界を薄い被膜のように描き出すべく、敷地内外の緑地やまちを映し出す1枚のガラスをファサードとすることを試みました。また、近隣への精緻な分析から、敷地内の緑地を周囲の緑地と連続させ、その濃淡や距離感で視線を制御することにより、高い自由度と開放性を兼ね備えた住空間の構成を行っています。
これまでに設計者が積み上げてきた集合住宅設計への知見と洞察が存分に発揮され、窓への着眼のもとで開かれたファサードとプライバシーの両立を追求した点が評価されました。

[最優秀環境・技術賞]
浜松町エクセージビル リノベーション計画
都心部に位置するテナントオフィスビル(他社設計、2001年竣工)の改修計画。「100年生きるビル」の実現を目指す事業者の想いに対し、当社は、共用部内装の全面的改修計画立案や災害時72時間運転を可能とする非常用発電機設備とオイルタンク新設によるBCP対策強化に加え、豊富な既存建築物のZEB化検討のノウハウを活かし、長期的視座に立った提案を行いました。現状のエネルギー消費実績の分析、各種エネルギー低減メニューの構築、事業コストと導入機器スペックの検討などを計画の初期段階から実施。常に「ZEB水準を達成していること」を把握・共有しながら設計を進めた結果、10,000㎡超の既存ビル改修では希少なZEB Orientedを取得しました。近年、建築物の資材調達から、建設、運用、解体に至るライフサイクル全体でのCO2排出量を示す「ホールライフカーボン」に注目が集まっています。本改修により、既存のまま100年間使い続けるよりも、CO2排出量を約20%削減できることが確認されました。
「大規模ビルのZEBリノベーション」という高度なテーマへと挑戦する意義と、当社の技術力を社会に訴えるプロジェクトとなった点が評価されました。

[特別賞]
BIM及び省エネ計算アシストツールを活用したZEB化推進への取り組み
世界的なカーボンニュートラル化の一層の加速の中、建築業界でも、2030年までに新築建築物をZEB水準とすること、2050年までに既存ストック平均でのZEB水準を達成することが掲げられています。こうした高い社会的ニーズの一方で、ZEB化の検討や認証取得の際の省エネ計算には、建築情報の整理や各種データの入力といった作業に多くの時間を要することが課題となっています。そこで、こうした情報の取り扱いにBIMを活用し、各種ツールとの連携で効率化を推進。モデルプロジェクトでは計算にかかる時間を半減することが可能となりました。BIMの活用は、建築情報が変化しやすい新築プロジェクトでも業務効率化が期待でき、設計初期の省エネ検討の高度化にもつながります。
「設計のための道具づくり」の取り組みとして、誰もが使いこなすための単純化を徹底して突き詰めた点が評価されました。現在、BIMの導入推進を行う当社において、その普及の一助となる取り組みです。

[環境・技術賞]
環境を重視した統合執務空間を実現した合成床システム(ニコン 本社/イノベーションセンター)
光学企業を原点とする同社の本社施設として、昼光利用や照明計画をはじめとする特徴的な「光」の使い方を実現するための構造部材を開発しました。天井のダクトレス化と連動して、14.5mもの奥行きをリブ付きPC床版でシンプルに構成することが可能となったことを受け、トラス状のフラットバーを埋め込んだPC版(=下弦材)と、フラットバーとつないだ山形鋼およびトッピングコンクリート(=上弦材)、という一連の部材からなる合成スラブを日本で初めて採用。窓回りに露出するPC端部を緩やかな三次元曲面形状として、外光を無柱の屋内空間に効果的に導入するシステムとしました。同時に、PC 版~トッピングコンクリート間に設けたボイドを還気・排煙経路として活用。設置クリアランスにはライン照明を配しています。
組織設計事務所ならではの技術力を活かし、意匠・構造・設備を統合的に扱うことで快適な空間性を実現している点、その関係性が明快に表現されている点が評価されました。

[コンサルティング賞]
長崎スタジアムシティプロジェクト
「民間主導での地域創生ロールモデル」を目指したスタジアム・アリーナ複合施設建設プロジェクト。施設の魅力の最大化を図りながら事業性を確保すべく、本体・関連工事のCMを担当しました。「事業性と建設計画の検討を並行して進めたい」というクライアントの要望に対し、多様な関係者との意思決定を可能とする横断的プラットフォームを構築。プロジェクトの可能性を探りながら各課題を解決し、これに応えました。開業に向けたスケジュール・建設プロセスの立案に加え、工区間の調整により全体工期を約1カ月短縮。コスト管理の一元化や、物価上昇ルールの締結によりその影響を軽減し、目標コストを達成しました。コンコースやスタジアム座席を日常的に開放し、地域の人びとが集い、親しまれる施設が生まれました。

[プロジェクトマネジメント賞]
晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業 5-5街区 A~F棟 実施設計、監理業務
竣工後は東京2020オリンピック・パラリンピック選手村として一時利用し、その後、分譲住宅等へと再整備する「HARUMI FLAG」開発プロジェクト。当社は、全21棟の住宅棟のうち6棟の設計監理を担当。ひとつのまちなみを生み出すべく、街区ごとに異なる設計者・建築家とファサードや外構の調整を重ねました。大会延期に伴う工事中断の中でも、社会の再起とともに迅速にプロジェクトを再始動できるよう、関係者と各種検討を実施。緻密な設計・施工計画により、会期終了後に各住戸を「選手村スペック」から「住宅スペック」へと「〈分譲前に〉リノベーションする」類を見ない事業を実現しました。現在、当社設計統括による新築タワー棟の工事が進行中。2025年9月に全面開業を迎えます。

[プロジェクトマネジメント賞]
エイトコード博多駅前ビル新築工事
博多駅に程近い中規模テナントオフィスビルの設計監理プロジェクト。北面はフレームで縁取った開放的なガラスカーテンウォール、南面は環境負荷低減と近隣への見合いに配慮した腰壁・横連窓を採用しました。今日まで構築してきた地域のネットワークをフル活用し、恒常的な施工者へのヒアリングをはじめとする緻密な情報収集のもと、適切な予算策定や「先を読む」コストマネジメントを実施。これにより、施工の中盤にZEB化が決定し、各種の設計変更を行うにあたり、工期延長や物価上昇といった社会状況下でも、クライアントの想定予算内でZEB Ready取得ビルを実現しました。早期の満室稼働を達成し、クライアントから高い満足度を獲得したプロジェクトです。

[プロジェクトマネジメント賞]
「横浜シンフォステージ」に関するコンストラクションマネジメント業務
民間開発事業者5社の共同事業体による、オフィス・ホテル・店舗等で構成される大規模複合施設「横浜シンフォステージ」。区分所有建築物であり、専有部ごとに所有者・プロジェクト関係者が異なる複雑な座組みです。当社は、基本設計段階から工事施工段階までの約5年間にわたり、本プロジェクトの推進をサポートするマネジメントを実施。5社それぞれへの公平・公正な意見収受や、各種分科会などの合議情報の徹底した集約で、多様な要望を取りこぼすことなく反映した建築計画の立案に寄与しました。加えて、複雑なコスト管理を一手に担い、緻密なVE・CD調整を区分毎に実施。全社が事業予算内で竣工を迎えるという目標を、高い満足度のもとで達成しました。

[業績賞]
池袋西口地区の都市計画提案に係る一連の業務
当社は当該地域において、再開発準備組合や東武鉄道のコンサルティングに、約10年にわたって取り組んできました。今回、建築と都市基盤が連携したウォーカブルな駅前空間整備を目指し、「交通広場を含んだ駅前の基盤再編」を実施しつつ「東武鉄道の駅機能を活かしながらの建て替え」も実現する建築計画を立案するとともに、準備組合・東武鉄道が協力して都市計画の提案を目指すなか、当社は両者の想いを汲みながら、2事業を1つの計画として実現。また、それらを実現するため、都市再生特別地区に加え、道路や公園など合計で16の都市計画を提案。現在は、新たな都市の顔となる駅まち結節空間整備や「池袋西口公園 GLOBAL RING」(2019年、当社設計)と連携した空間形成に向けた設計を行うと共に、エリアマネジメント団体の組成等に向けた動きが継続中です。

[業績賞]
シンガポール国家プロジェクト、NSCコンペティションでのTOP3当選とその後の展望
シンガポールの南北を結ぶ幹線道路「North South Corridor(NSC)」では、地下化・高架化が進行中。2023~24年にかけて、NSCの地上道路を、自動車だけでなく歩行者・自転車・公共交通機関にも対応し、公共空間や緑地が整備された回廊へと転換する国際コンペが開催され、世界有数の「都市の歩行空間のマスタープランを提案する場」として注目を集めました。三菱地所設計アジア(在シンガポール)と三菱地所設計は同国内外の企業と国際チームを結成してこれに挑戦。丸の内で築いてきたノウハウを現地の文脈で昇華させ、緑地や半屋外空間の連続が生み出すコミュニティの姿を提案。次点となりつつも高い評価を得ることができ、国際的な国家規模の設計競技において確かな手ごたえを掴みました。

[+EMOTION賞]
SAKA Museum
インドネシア・バリ島に建つ美術館。単なる観光スポットではなく、訪問者が当地の豊かな芸術・宗教・文化を豊かな自然と調和した空間で鑑賞・体験できる場とすることを目指しました。デザインコンセプトとして「A Moon on Water」を掲げ、広大な森の中を歩み進めた先に、水盤に浮かび上がる三日月のような美術館を設計。緩やかなスロープを介してアプローチする、周囲の豊かな環境と伝統的な美術をひとつのものとして触れられる施設です。

[+EMOTION賞]
晴海三丁目計画
築地・銀座といった都心部と臨海エリアとを結ぶ軸の交点を計画地とする再開発。一団地認定によりオフィスとホテルを分棟で配した上で、隣接する黎明橋公園と連続する緑地を前面に整備。同時にデッキを介して対面の晴海第三公園とつなぐなど、立体歩行者ネットワークの整備で地域に根差した佇まいを目指しました。2棟のデザインは「航跡波」という自然現象に着想を得て、晴海エリアの玄関口に相応しいファサードをかたちづくっています。

[+EMOTION賞]
新青山ビル・リノベーション
当社※設計のもと1978年に竣工した、3路線の地下鉄駅を地下に有し、オフィスや飲食、商業などが複合した地域の中核的施設をアップデートするプロジェクト。ビル就業者向け共用ラウンジの新導入に加え、低・高層階共用部、中庭広場、地下店舗街のデザイン改修を実施。先達の設計から特徴的なコンテクストを読み取り、これをビルの「様式」として創造的に介入することで歴史との共作を試み、建築を未来につなぐ改修を考案しました。
※ 当時、三菱地所

[+EMOTION賞]
専門学校デジタルアーツ仙台新校舎
「次世代デジタル教育の場の創造」をテーマとした、地上10階建ての学校校舎の設計プロジェクト。多様な学びのかたちに応えるべく、エントランスホールへの大型LEDビジョンの設置、インタラクティブなプロジェクションマッピングの導入などを実施。建物のセットバックで生まれたオープンスペースは、屋内外を一体利用できる構成とし、学生たちの活動を地域へ表出させ、「杜の都」仙台を象徴する、街路の並木と呼応する設えを目指しました。

[+EMOTION賞]
ニコン 本社/イノベーションセンター プロジェクトマネジメント業務
コンペを経て当社が設計監理者に選ばれた同プロジェクトでは、本社ビル建設の豊富な実績を評価され、プロジェクトマネジメント業務もまた当社が担当しました。本計画にかかわる全てのソリューションをプロジェクトマネージャーがワンストップで提供する体制を構築し、新築工事のほか各種関連工事(FF&E、ミュージアム、ダイニング、映像コンテンツほか)も含む課題整理・意思決定支援、スケジュール管理支援等の包括的管理により、予算内かつ希望時期の開業実現に寄与しました。

[+EMOTION賞]
「設備設計者が語る。環境・設備のアイデアノート」の推進
当社Webサイトにて2022年より連載中の、当社の設備設計者が主導するコラム企画です。「設備設計の面白さや魅力を、学生をはじめとする社外の方々に発信したい」という想いのもとで始動。大規模再開発から個々の建築まで、幅広い当社のプロジェクトを、担当設計者がそれぞれの「設備の取り組み」として自ら解題。考え方やその工夫、職能間の連携の様子といった建築の新たな読み解きかたを紹介しています。ぜひご覧ください。

[+EMOTION賞]
The Warp:Regenerative Wood Design Series
2024年ドバイデザインウィークの出展作品として製作された、日本の伝統木工技術と最先端の3Dプリント技術を融合した木質3Dプリント造の茶室パビリオン。木材加工の際に生じる木粉を再利用してつくられた約900 枚のパネルで構成され、釘や金具を用いずに手作業で接合できるため、各部材を一般的な小包としてドバイに空輸。現地にて短時間で組み立て/解体を行いました。持続可能な循環型経済の実現を目指した取り組みのひとつです。

[+EMOTION賞]
初期検討におけるAIを用いたプレゼンテーション実践とAIプラットフォーム整備
三菱地所設計アジア は、2024年に「AIリサーチワークショップ」を設立。画像・音声・動画生成AIを複数プロジェクトの初期提案に試験導入するとともに、AIガイドラインやスタイルライブラリの整備を実施。誰もが同等のクオリティで、プロジェクトの性格・段階に応じた適切な成果物を作成・共有できる体制を構築しました。クライアントとの方針検討の迅速化やイメージベースでの意思疎通など、コミュニケーション向上に寄与しています。

[+EMOTION賞]
2024年度 8階オフィス自治会活動
当社本店では、就業環境の向上を目的とした社員組織「オフィス自治会」が各フロアで活動しています。特に社内外の関係者が多く出入りする8階では、昨年度までに什器の整備を完了しましたが、運用面の課題が残っていました。そこで今年度は、オフィス環境に関する情報整理やグループアドレスの試験導入を実施し、オフィス美化や業務の効率化において大きな成果を上げました。
