Green Loop構想:都市の「際」を耕す
Green Loop Concept: Tilling the Urban Fringes
DATA
| 当社業務 | 基本構想 |
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「際」からひらく、都市再開発の新たな作法
瀬戸際、引き際、波打ち際。
日本では古くから、「際(きわ)」は単なる境界ではなく、内と外、自然と人、静と動といった異なる要素が交わり、物事の様相が転換する重要な“間”として大切に捉えられてきました。そこには人が集い、風景が生まれ、新たな価値が立ち上がる場としての意味が込められています。
都市再開発は、社会活動に活力を与える一方で、環境負荷やエネルギー消費の増大といった構造的な課題をその内側に抱え続けてきました。
当社は、都市再開発に求められる新たな作法として、開発エリアの外縁部である「際」に着目し、都市の領域を再定義するコンセプト「Green Loop」を提案しています。
従来、都市再開発における「際」は、道路やフェンスによって内外を分断するだけの「境界線」として扱われてきました。しかしGreen Loopでは、この「際」を分断の場ではなく、都市と地域、人工と自然をつなぐインターフェースとして再生させます。
具体的には、エリアの「際」をグリーンで緑化するとともに、環境負荷低減・資源循環・地域活性化に資する技術や仕組みを実装することで、人々が自然と集い、周辺地域へと開かれた「都市の余白」へと転換します。
これにより、再開発エリアが「閉じられた世界」ではなく、周囲から親しみをもって受け止められる存在となり、地域に調和しながら人・自然・技術が共存する新たな都市空間となることを目指しています。
都市の課題を社会触媒へと昇華させる
今日の都市再開発においては、これまで以上に大きな社会的責任が求められています。
私たちは、再開発に伴い生じる課題を単に解決すべき負の側面とは捉えません。Green Loopは、その影響を軽減するだけの受動的な姿勢ではなく、これからの社会づくりに必要な価値へと昇華させ、前向きに取り組むための挑戦です。
「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」「ネイチャーポジティブ」「レジリエンス」という4つの挑戦的なテーマに対し、それぞれに関連する技術をGreen Loopに実装することで、都市の「際」そのものが未来社会に向けたショーケースとなり、持続可能な循環を加速させる社会触媒としての役割を担うことを目指します。
私たちは、都市再開発そのものを「より緑豊かな未来」「誰もが享受できるウェルビーイング」「美しい景観の持続」を実現する《次世代グリーン・アーバニズム》の統合モデルへと変革させます。
Smart City Expo World Congress 2025にて発表
当社は、本コンセプトを2025年11月にスペイン・バルセロナで開催された、世界最大級のスマートシティ関連見本市「Smart City Expo World Congress 2025(SCEWC 2025)」において発表しました。
建築・土木・まちづくりの視座を持つ設計事務所による提案は、「ハード(空間・構造)から導くスマートシティ構築の方法論」として高い関心を集め、世界各国の行政、デベロッパー、研究機関、企業関係者から多数の反響と具体的なアプローチを得ることができました。
Update : 2026.01.29