130th ANNIVERSARY

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三菱地所設計創業130周年記念 想う力
      未来へつなぐ

三菱地所設計創業130周年記念 想う力 未来へつなぐ
CONTENTS

01【ステートメント】 創業130周年に寄せて
        真に豊かな環境、文化をつくり続ける 林 総一郎 [三菱地所設計 代表取締役社長]

時を超えてつなぐ街・丸の内 ──日本、そして海外で生きる知見

三菱地所設計は、1890年に東京・丸の内を日本のビジネスの中心地として整備するため「三菱社」に設置された 「丸ノ内建築所」をルーツとする日本で最も歴史のある設計事務所のひとつです。その後、日本を代表するデベロッパーである「三菱地所」のインハウス設計組織として、丸の内にとどまらず、日本全国のプロジェクトに携わり、2001年に「三菱地所設計」として、分社独立しました。
私たちは、これまで130年にわたり、ここ丸の内(大手町、有楽町エリアを含む)にあって、事業者そして利用者の視点で、働く人を、街を見つめ、一世紀にわたり開発に携わってきました。まさしく、丸の内は私たちが時を超えてつないできた、そしてこれからもつないでいく街です。こうした継承は設計事務所としては稀で、この恵まれた関わりによって、建物を単体で考えるのではなく、常にエリア全体の最適解を求め、新たな建物をつないできました。そして、ここで培った計画、管理、運営などの多くの知見は、私たちの礎となり、国内にとどまらず海外においても、あらゆる領域の仕事で生きています。

私たちの礎 ──「都市への洞察力」「本質と品質の追求」「総合設計力」

この記念誌は、約2年にわたり編集委員会において議論を重ね、編集が進められてきました。ここでは、生い立ちと深く結び付き、長い間に培われ、受け継がれてきた私たちの3つの礎(コーポレートブランド「+EMOTION」策定の際に整理したブランド価値)──「都市への洞察力」、「本質と品質の追求」、「総合設計力」、を足掛かりに、これまでに経験した膨大なプロジェクトを振り返り、まとめています。
丸の内を皮切りに、日本全国、そして海外にまで広がる経験の根底にあるのが1章に見られる「都市への洞察力」です。また、事業者や管理者、さらにはその先にいる使い手を身近に感じることのできる立場から、社会課題への強い意識や、ものづくりへのこだわりが育んだのが2章の「本質と品質の追求」です。そして、誌面全体に現れているのは、複雑かつ、難しいプログラムを実現するデザインやエンジニアリングの力、クライアントの課題をかたちにするコンサルティングの力や、求められた高い品質を実現する監理の力など、建物や都市のライフサイクルにおいて、川上から川下まで、関わり続けることのできる幅の広い人材の存在による「総合設計力」です。

持続可能な社会を実現し、未来につなげていくために

私たちは、創業130周年を機に、自らの存在意義を見つめ直し、経営理念を「私たちは、常に進化し、創造力と技術力で、真に豊かな環境、文化をつくり続けます」と再定義しました。
2020年現在、世界的に猛威を振るう新型コロナウイルスによって、人びとの行動様式や社会のあり様が大きく変わり、本年は後世から、大きな転換点であったと記憶される年になるのではないでしょうか。 このような状況だからこそ、私たちはこの変わらぬ理念をよりどころとし、真に豊かな環境、文化を常に問い続け、新たな価値創造につなげていきたい。そして、クライアントと共に社会課題の解決に取り組み、将来にわたって持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えています。そのために、三菱地所設計は挑戦を続けていきます。