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MY +EMOTION

「仕事も明るく楽しく」

構造設計部
エンジニア 近藤 千香子

建物をどう支えるか。安全性を確保するという使命のもと、意匠や設備、コストと調整しながら、シビアな局面でもバランスよく、最適解を導く構造設計者。近藤千香子の+EMOTIONは、「仕事も明るく楽しく」です。

明るく楽しく働き、
旅に出る

人生、何ごとも明るく楽しく。大学時代、当初漠然としたイメージだった設計の中で、構造の研究室に進んだのも、教授の柔和な人柄や楽しい雰囲気の研究環境に惹かれたからでした。鉄筋コンクリート造建築物の研究でしたが、実験も明るく楽しく、やるときはやる。先輩の紹介でアルバイトを始めた三菱地所設計の構造設計部は、落ち着いた雰囲気の中に適度な賑やかさがあり、ここで働きたいと思って入社を希望しました。大好きな海外旅行をするために仕事をしていると言っても過言ではないので、私にとって働く環境がすごく大切です。最近社内でも取り組みが進む「働き方改革」は、まさに追い風。もちろん仕事に追われる時期もありますが、居心地の良さ、働きやすさは抜群だと思います。

学生時代。構造実験も明るく楽しく、そして真剣に

できないと言わない

当社が手掛ける建物は、用途や規模がバリエーションに富んでいるので、さまざまな経験ができるのも魅力です。新人でも現場で経験を積める環境が整っていて、部内の先輩に限らず、難題にも秀逸な提案で柔軟に応える方ばかり。入社して10年。私も構造設計者として、意匠設計者やクライアントが思い描くかたちを何とか実現させたいと、試行錯誤する日々です。構造は建物の要。「できない」と言ったらそこで終わりなので、「できないと言わない」ことを常に心掛けています。それには豊富な経験がモノを言います。入社4年目で初めて超高層オフィスビルを担当した時は、当然それまでの仕事のやり方が通用せず、大勢のチームで進めることの難しさにも直面しました。今は社外だけでなく社内打ち合わせでも、発言は前向きに、伝え方には心を配ります。チームの雰囲気が良ければ、プロジェクトも良い方向に進むことが多いですね。

初めて担当した超高層オフィスビル「丸の内二重橋ビル」の竣工式

チームワークを大切に

2017年に竣工した「築地本願寺境内整備」プロジェクトでは、開かれたお寺への変革の象徴となる、合同墓とインフォメーションセンターの構造を担当しました。地下に永代納骨堂を有する合同墓は小規模ながら、初めて経験する建物用途と形状。床の積載荷重はいくつにするかに始まり、円形の地上礼拝堂のガラス屋根から本堂が拝めるように屋根スラブをなくすなど、構造の形式や計算ルートを模索しました。施工の方の協力もあって、綿密に計算されたデザインや設備と一体になったキレイな建築に仕上がり、良いチームワークという意味でも、楽しかった現場の一つです。
担当物件が竣工すると社内向けに見学会を開くのですが、構造の場合は建て方がある程度進んだ段階(躯体が見える状態)で部内見学会を開きます。自分の物件の時はドキドキですが、同期を始め、他の人の時は興味津々。忌憚のない意見が飛び交う刺激的な会ですが、こういった日常がいざという時のチームワークに生きてくる、大切な時間だと考えています。

築地本願寺、合同墓の模型(左)と工事現場の様子(右)

長く使い続けられる建物を目指して

カタチとしては目に見えづらい構造設計の仕事。柱をなくしたり、梁を小さくしたり、どんなに頑張った架構も、大体が最後は壁で隠されて見えなくなるので、建設現場で架構が組み上がっていくのを見たり、配筋検査の立ち会いをする時が、一番気持ちが盛り上がる瞬間です。仕事としては鉄骨造や制振の建物の設計が多いですが、個人的に好きなのは免震(住むなら鉄筋コンクリート造の免震)で、設計していて楽しいのは10階以下の小さな建物です。商業施設は竣工後もずっと見に行けるので、担当が回ってきた時は嬉しいですね。時々訪れては、当時の自分を思い返したり、どのような架構だったのかを思い出したりします。やはり構造設計者としては、用途や機能を変えても、長く使われる建物を目指したい。当社が得意とする継承設計のプロジェクトもいつか任せてもらえるように、コミュニケーション力も含めて、「明るく楽しく」スキルを磨いていきます。

建設現場で架構が組み上がっていくのを見るのが一番の楽しみ。仕上げに隠れる前の貴重な姿


[インタビュー:2020.1.22]

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