人の移動をSmart&Walkableに変える都市のリ・デザイン(大丸有地区スマートシティ将来像に関する検討)
●大丸有地区スマートシティ将来像に関する検討
大丸有エリアにおいて、次世代新技術を導入したスマートシティを実現する取組みが始動している。その未来像を描く取り組み「大丸有スマートシティビジョン」の策定において、歩行者と次世代モビリティが共存し活動内容の変化に柔軟に対応する歩行者空間や、複数の交通手段がスマートに交差する交通結節点、モビリティの乗り換えがスムーズにできる地下空間などの、分析・提案・将来像イメージ作成を行った。
歩行者空間には既に賑わいとアメニティがあふれているが、新技術や新モビリティの導入によってこれらを更に高め、リ・デザインしていく。単なる歩行者専用にとどまらず、パーソナルモビリティやパレット型モビリティなどの「新たなモビリティ」が人をアシストし、人と人とのフィジカルなコミュニケーションがより促進されるウォーカブルな空間が展開される。もはや沿道店舗と歩道、歩道と車道の境界はなく、建築とインフラがフラットに連続することで、刻一刻と変化する活動内容に柔軟に対応できる。
交通結節点においては、従来の車道・歩道といった概念に捉われず、速度や用途の異なる歩行、低速・中速パーソナルモビリティ、自動運転車、公共交通システムなどの複数の移動手段が複合された路上交通システムが構築される。そこで重要になるのが、移動手段の切り替えである。移動の流れをスマートにつなぐ交通の結節点をデザインする。
地下は地下鉄、地下通路とのアクセスや駐車場の連結など、建築とモビリティの結節空間となる。ここでも「移動」手段をシームレスに切り替えるシステムが導入され、新しい流れが生み出される。自動運転などの新技術により効率的な駐車が可能となり、余剰が生まれた駐車場スペースを、新たなモビリティの格納庫や、タクシープール、にぎわい空間などに転換。たとえば移動式パレット型モビリティなどを導入して空間の質を変えていく。これまで主に交通、駐車のために利用されてきた地下空間に、これまでなかったにぎわいを創出する。
これらの将来像を実現するカギは、建築とインフラをシームレスに連続させることである。
また、これらの将来像実現に向けた課題の整理やロードマップの策定等について引き続き検討を進めている。
所在地 | 千代田区 |
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用途 | 都市・まち |
テーマ | スマートシティ |
備考 | 作成協力(2020年) |
人の移動をSmart&Walkableに変える都市のリ・デザイン(大丸有地区スマートシティ将来像に関する検討) |
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