香月メディカルビル ースマートコンバージョン
■プロジェクト概要
市街地に立つ築17年のオフィスビルをコンバージョン(用途変更)し、出産・子育てを行う女性とその家族を総合的にサポートする、産婦人科病院を中心とする都市型複合施設に再生した事例です。耐震補強と、その性能の効果的向上を図り、外装の一部解体撤去など軽量化を図りました。地球環境への配慮や解体工事に伴う周辺への負荷低減といった環境的側面と、工事時間の短縮やインフラストックの活用による経済合理性の追求といった事業的側面から、リノベーションが選択されました。
コンバージョンによる既存ビルの再生活用は、サステイナブルな社会への転換という現代的ニーズへの、ハード面からの応答です。ライフスタイルや使われ方、制度など既存建物を取り巻く社会環境の変化の中、相対的にその価値が低下していく築古ビルに対し、コンバージョンで「価値の向上」というリポジショニングができることは、ひとつの解決策であると考えています。
耐震性能強化の策である建物の減量化は、総合医療ビルへの用途変更で必要とされた癒しの空間として、屋上庭園をつくることにつながりました。これに面して食堂やスタジオが設けられ、開け放しての使用も可能です。健康的で自然と触れ合える空間が生まれました。
サステイナブルな社会は多様な手法を駆使して構築する必要があります。同時に、スマートシティも一度つくれば終わりというわけではありません。本プロジェクトではストック活用・リノベーションによりその実現を試みました。
三菱地所設計は2004年に「コンバージョン」を商標登録。当時から既存建物の再生活用によって変化へ対応していくことを重視していたことを物語っています。
改修/リニューアル | 2018年 |
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所在地 | 広島市 |
用途 | 商業施設、医療・福祉施設、駐車場 |
テーマ | スマートシティ |
敷地面積 | 502㎡ |
延床面積 | 4,249㎡ |
階数 | 地上9階/地下1階 |
構造 | SRC造 |
香月メディカルビル ースマートコンバージョン |
Index
写真撮影
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