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Vol.16

環境

コイル洗浄対応型ファンコイルユニット

2020/10/16

隠蔽型エアコンを洗う。

エアコン室内機に発生するカビやヨゴレは定期的に洗浄するのが常識になってきました。しかし例えばホテル客室のような場所の天井裏室内機、つまり隠蔽型ファンコイルユニットの内部を洗浄することは、実は容易ではありません。定期メンテナンスできる仕様になっていなかったからです。そこでファンコイルユニットに扉を設置。内部に容易にアプローチして洗浄が可能な形状に再構成しました。ありそうでなかった技術の進化です。

コイルを直接高圧洗浄して、ホコリやカビ、ウイルスを取り除く

家庭用のエアコン室内機は、近年定期的にクリーニングするケースが増えてきました。カビやウイルスから身を守る健康への意識、空気環境への意識の高まりが背景にあります。室内機の中にたまったホコリと、コイル部分が結露した水が混ざって、カビの温床になることがあるのですが、そこを高圧洗浄機で洗浄するのです。従来、エアコン内部は定期清掃するという仕様が考えられていませんでした。ホコリをフィルターで遮断して内部は清潔に保たれるという考え方です。しかし長期使用している間にカビが定着し臭いの元になるという問題が生じていました。 特にホテル客室のファンコイルユニットを洗浄するには特大の点検口を設置するか、天井を一部解体して、ユニットまるごと取り出す必要がありました。そのために1週間以上の工事期間が必要です。客室稼働のことを考えると、これは簡単なことではありません。そこでユニット内部に高圧洗浄ノズルが入る扉を設置し、筐体自体に作業スペースを設けることで、取り外し工事をすることなく洗浄を可能にするユニットをデザインしました。一般的な点検口から身を入れてヨゴレの付着したコイル部分までアプローチすることができるのです。洗浄時はコイル奥のファンに水飛びしないよう、水滴飛散防止板を設置します。必要なタイミングで必要なメンテナンスを可能にするユーザーオリエンテッドな製品が生まれました。

ファンコイルユニット断面図。コイル部分の前方、後方脇に2箇所の点検扉を設置。
洗浄用の点検扉から高圧洗浄ノズルを挿入し、目視しながら洗浄作業を行う。
図の右側にあるファンに洗浄液が飛ばないように、洗浄時にバッフル板(水滴飛散防止板)が設置できる仕様になっている。

高圧洗浄作業風景

高圧洗浄作業風景

コイル洗浄対応型ファンコイルユニット
共同開発|近鉄不動産株式会社
    |新晃工業株式会社

空気調和機における熱交換器コイルの清掃構造

[特許出願中]特願2020-86073

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