WORKS

Vol.22

意匠・プランニング

nagomuma restroom

2022/12/22

リフレッシュできるオフィストイレ。

多くの企業が新たな働き方を模索する中、ワークスペースの環境改善は重要課題のひとつです。執務空間はもちろんですが、いま注目されるのはリフレッシュできる空間のつくりかた。仕事のパフォーマンスを高めたり、何かをブレークスルーするコミュニケーションを生み出すために、カフェやラウンジなどが積極的にデザインされるようになりました。執務空間以外で最もプライベート性が高いのがトイレです。この空間こそリフレッシュ空間としてさらに進化させる余地があり、その効果が高い場所。始まって間もないこの取り組みの、一例を紹介します。

個室ブースの進化形

TOKYO TORCH の第一弾プロジェクト「常盤橋タワー」は、地下1階~地上3階が商業ゾーンになっていますが、その3階にカフェラウンジがあります。タワーのオフィスワーカーにとっての貴重なリフレッシュスペースであり、コミュニケーションスペース。その階に設置するトイレもまた、業務のオフタイムを充実させるリフレッシュ空間としてデザインしました。

オフィス空間の中で、トイレは究極のプライベート空間。そこでまずはプライベート空間の核である個室ブースを見直しました。単に用を足すだけの空間ではなく、身だしなみを整える場所、気持ちを入替える場所として、利用者をサポートする機能の充実を図りました。まず自動水栓、自動ソープディスペンサーを完備。洗面器は周囲の物置きスペースも含めてゆとりの大きさを確保し、ミラーも設置。その広さを確保するために、ブースの形状を通常の四角形から六角形に変更しました。そうして生まれる広さは、心理的な広がり感、包まれ感を生み、リラックス効果を高めています。

ブースにはさらに、天井、足下、ミラーに照明を仕掛け、サウンドとともに明るさや色温度の演出を、センサーを通じて自動操作しています。またブース内は、個性的な4種のデザインを施してユーザーの選択の幅を広げ、好きな場所、居場所としての適性を高めました。

4つのテーマに合わせてデザインされた個室の内装

ブース内の平面図

フレキシブルなプラン/IoT活用の管理

トイレのプランニングで難しいのは男女のボリューム比。フロアに集まる利用者の性別、混雑度を想定して、ブース数の男女比を検討しますが、施設の使用状況が変わると往々にしてそのバランスが崩れます。そこで、一部のトイレブースに2箇所のドアを設け、男性側女性側それぞれに開くフレキシブルブースを設置しました。通り抜けは出来ないようどちらかを施錠しつつ、男女どちらかのブースに切り替えて使用することで、男女比を随時変更することが可能になりました。六角形プランが2辺にドアをつけることを容易にしています。

常盤橋タワー3F「MY Shokudo」エリアの男女トイレ配置図(左)/
フレキシブルブースの入口方向(中)/フレキシブルブース内観(右)

表から見えないブース内の状況を管理するために、IoT技術も導入しました。トイレの空き状況、石鹸残量チェック、洗面水栓や便座の温度設定、利用状況などをデジタル管理することで、清掃の最適化や修繕計画に活用されています。また、空いているブースが利用者に一目でわかる空室表示のサイネージも取り付けました。

入り口に設置されたサイネージ(左)/
ブースの空き状況を示すサイネージの表示例(右)

nagomuma restroom
採用技術|TOTOパブリックレストルーム設備管理サポートシステム
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