INTERVIEW #05

環境と空間の、新しい姿を構想する。

機械設備設計部/2014年入社/Mさん

難しい設計ほど、面白くなる。

建築空間における「水」と「空気」に関する設備を考えるのが、私たちの仕事です。具体的には、熱源から二次側の空調機、換気設備を含む空気調和設備、トイレや給水をはじめとする給排水衛生設備の計画と設計、そして現場監理までを担当しています。単に設備を考えるだけではなく、時には、意匠設計から環境にまつわる意見を求められることも。建築空間にふさわしい日射遮蔽や自然換気について、意匠的なアイデアと工学的な視点を組み合わせて提言しています。

これまでで最も印象に残っているのは、追手門学院大学の新キャンパス計画です。複数棟のプロジェクトのメインとなる大学棟は、逆三角錐の斬新なデザインが特徴。初めてCGパースを見たときには、言葉を失うほどのインパクトを受けると同時に、機械設備を設計するにあたっての課題が頭の中を駆け巡りました。この形状で、水が流れる配管をどう真っ直ぐに通すか、どんな空調方式が良いのか…。デザインと快適さを両立させるために知恵を絞り、他職能とも何度も打ち合わせを重ねました。あらゆる空調方式を検討し、全ての設備が納まった瞬間は、難解なパズルを完成させたときのような達成感がありましたね。

機械設備に、
もっと自由な発想を。

どのプロジェクトにおいても、意匠設計はもちろん、構造設計や電気設備設計との綿密なコミュニケーションが必要です。配管の通り道を構造とすり合わせたり、機器への電源供給を調整したり。また、現場の状況次第で設計変更を行うことや、竣工後の想定外の不具合に対応して設備を調整することも多々あります。だからこそ、自分の専門領域に閉じこもらず、常に他職能と連携することが必要不可欠なのです。そして今後は、その連携を強めながら、もっと自由な発想で建築と環境について考えていきたいと思っています。単に環境配慮型の空調システムを構築するだけではなく、そこにいる人たちの活動に合わせた環境を実現したいですね。例えば、街でたまに見かけるドライミストのように、空間環境を可視化することで人が集まるような仕掛け。オフィスならコミュニケーションが活発化しますし、そこにエネルギーを集中することで環境負荷も低減できます。広く大きな視点で、人と建築の良い関係を築いていけたらと思います。

ONE DAY SCHEDULE

ある1日の流れ

INTERVIEW #06

人の営み、
賑わいがある場所をつくる。

機械設備設計部/2016年入社/Iさん

設備の観点から、
理想の都市像を描いていく。

構造や意匠との兼ね合いを考慮しながら、建物の用途によって異なる設備のニーズを最高レベルで実現するのが、機械設備の仕事です。冷暖房や換気などの空調システム、給排水などの衛生システムといった、空間内の居住性に関する設計や監理を行っています。設備システムのご提案をする際には、事業者のご要望や敷地の周辺環境を踏まえた最適な建物形状と配置を考えなくてはなりません。ときには、建物内外から都市全体へ、あらゆるスケールを横断しながら、最適な設備システムを検討していく必要があります。これまでで最も印象に残っているのは、海外の設計事務所と共同で参加したシンガポールの都市構想プロジェクトのコンペです。エネルギーや生態系はもちろん、情報技術の高度化や、働き方の多様化など、これからの社会やライフスタイルの変化にまで思いをめぐらせて、理想の都市像について考えました。残念ながらコンペには負けてしまったのですが、プロジェクトに参加した経験は、私の財産になっています。

どんな名建築より、
心に残るもの。

学生時代に訪れたパリでの出来事が、私のターニングポイントになりました。旅の本来の目的だったフランスの名建築よりも、私の心を動かしたのは、人々が思い思いに過ごすパリの街並みでした。どんなに美しい建築作品でも、そこに人の営みがないと、どこか寂しい。建物単体で完結する仕事ではなく、人や周辺環境の生態系、街全体から発想していく設計がしたい。機械設備設計を選んだのは、人の営みがある環境を技術者として提案していくうえで、この職能がひとつの解だと考えたからです。三菱地所設計の設計思想には、街に賑わいをもたらすことで、経済を活性化させ、建物の収益性をあげていく、という考え方があります。世界的にみても、丸の内ほどの規模、主要性のある街に、100年以上にわたって寄り添っている技術者集団はないと思います。海外からの案件も増えているいま、丸の内で磨きあげてきた技術力を武器に、国内外の多様な要求に応える技術者になるのが私の目標です。

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ある1日の流れ

INTERVIEW