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特集 歴史的建造物の「継承設計」

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[ Know-How 04

街のにぎわいを生む継承手法――
総合設計制度の活用

名古屋の近代建築を牽引した建築家が鈴木 禎次です。
1926(昭和元)年に竣工した旧名古屋銀行本店ビルは、その代表作のひとつで、
市の都市景観重要建築物にも指定されています。
「(仮称)錦二丁目計画」は、この建物をできるだけ残しながら、
隣の敷地と一体で再開発を行うというものです。
歴史的建造物の保存が評価されたことも大きく貢献し、総合設計制度による
容積割増を受けました。


※本特集は2016年12月に取りまとめたものです。各担当者の肩書きなどは、その当時のものです。

建物を極力保存し、商業施設として生かす
[ (仮称)錦二丁目計画 ] *進行中

地域に親しまれてきた名建築を残すことで、良好な都市景観への貢献を果たすと同時に、床面積の増大による事業性の向上にも寄与しています。また、旧名古屋銀行本店ビル(以下、保存棟)は建築の魅力を生かした良質なレストランやバンケットなどとして活用される予定で、多くの人々が訪れることになるでしょう。柔軟性を持たせた保存の方法を採り、現代の都市に求められる機能をそこに入れ込む「継承設計」の手法は、街ににぎわいを呼び込むきっかけにもなるはずです。

建築設計三部
飯田 隆弘(左)

建築設計三部
本田 輝明(右)

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名古屋市の商業中心である栄・伏見エリアに位置する。保存棟は建物本体や外装をできるだけ残しながら、耐震性の確保や最新設備の導入を図る改修を実施。新棟は地上21階の超高層ビルが建てられる計画。

(仮称)錦二丁目計画(保存棟)

所在地: 愛知県名古屋市
用途: 集会場
竣工年: 2018年予定
構造/規模: 保存棟 RC造(一部SRC造)/地下1階・地上6階
継承種別: 保存+開発
旧竣工年: 1926(昭和元)年
旧設計者: 鈴木 禎次・曾禰 達蔵(顧問)
旧構造/規模: SRC造/地下1階・地上5階